カトマンズ(Kathmandu)は、ネパール王国の首都。人口約73万人。古代よりネワール族(Newar)がカトマンズ盆地で生活していましたが、723年にリッチャヴィ王朝のグンナカマディーヴァ王(King Gunakamadeva)がバグマティ川とビシュヌマティ川の交差する場所に都をつくりました。その後15世紀にはカトマンズ近辺にマッラ王朝の3つの王国(カトマンズ、パタン、バクタプール)がこの地を治めました。 1768年、インドより台頭してきたゴルカ王朝のプリティヴィ・ナラヤナ・シャー王(King Prithivi Narayana Shah)がこの地を占拠し、カトマンズを首都としました。
王宮やヒンドゥー教や仏教の寺院などがあり、代表的な建造物としてスワヤンブナート寺院、国立博物館、ダルパール広場、バラジュ庭園などが知られています。17世紀の歴史的な建造物が多く残るカトマンズ盆地は「カトマンズの渓谷」として1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。
カトマンズの観光名所
スワヤンブナート(Swayambhunath)は、カトマンズの中心部から西に3kmほどいった丘の上にたっているチベット仏教寺院。400段弱の急な石階段を上ったところが寺院の中心になっています。寺院中央には、南アジア最大ともいわれる仏塔がそびえ立っています。仏塔には仏陀の知恵の目が四面に描かれ、仏塔の周囲にはチベット仏教の特徴を示すマニ車が並んでいます。
ダルバール広場(Durbar Square):「ダルバール」とは「宮廷」という意味です。名前のとおり、マッラ王朝時代にはカトマンズ王国の中心地となっていました。王たちが美しさを競い合って建てた広場のため、建物の装飾の美しさには目を見張るものがあります。ダルバール広場に立ち並ぶ20数棟にも及ぶ寺院にはいろいろな時代のものがあります。この広場には生き神の住むクマリの館やハヌマン・ドカと呼ばれる旧王宮を始めとする見どころが多くあります。
アサン・チョーク(Asan Chowk)はカトマンズで最もカトマンズ的と言われる場所です。旧市街の中心といえる場所にあり、周辺からの小さな道が集まる広場です。アサン・チョークの一角にはアンナプルナ寺院があり参拝の人々の姿が絶えません。道を北側に進めば、外国人旅行者の多いタメル地区へ行くことが出来ます。
パシュパティナート(Pashupatinath)は、カトマンズから東に5kmのところ、ガンジス川の支流であるバグマティ川の川岸にあるネパール最大のシヴァ寺院です。インドのヒンドゥー教徒にとっても重要な寺院で、インド亜大陸にある四大シヴァ寺院の一つです。シヴァラートリー(シヴァ神の誕生日)の日にはインドやネパールの巡礼者がこの寺院に詰め掛けます。破壊神であるシヴァは様々な化身を持っていますが、「パシュパティ」もその化身の一つです。
ボダナート(Boudhanath)は、カトマンズの町から東へ約7kmの所にある、南アジアで一番大きな仏塔を持つ寺院です。仏塔の高さは36mです。カトマンズは何世紀にも渡って、チベットとの交易のルート上にあっため、チベット商人はボダナートで休み、ここまでの無事を感謝し、また帰路の安全を願ってここで参拝してきました。1950年代より、中国から亡命してきたチベット人の多くがこのボダナートの周りに住むようになり、数々の僧院を作り、ボダナート周辺を「リトル・チベット」にしました。チベット人がマニ・コル(マニ車)を回しながら歩く姿やチベット僧が参拝する姿をいつも目にすることができます。
国立博物館(National Museum):1928年に設立された博物館です。地元の人たちに人気のある博物館で、古代のものをはじめ、近代王朝の遺品や武器の展示もあり、イギリス植民地時代のインドと戦ったときの様子などがよく解ります。文化や歴史に関する多くのものが収蔵・展示されています。コインのコレクションもあり、紀元前からの各王朝で使われたコインが展示されています。
バラジュー庭園(Balaju Water Garden)は町から約4kmほどのところにあります。芝生と花壇があり、石の滝口から水が流れ落ち、池では鯉が泳ぐ楽園のような庭園で、ネパール人はよくこの公園へピクニックに訪れています。22の滝の噴水が有名であり、庭園内には50mプールがあり泳ぐこともできます。
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